必要耐力の算定について

 必要耐力Qrは各階の床面積に、建築基準法施行令88条の地震力の算出方法に準じて算出した、床面積あたりの必要耐力を乗じて求めます。

  Qr = 床面積(u) x (床面積あたり必要耐力 + 積雪割増) x 割増係数。

  床面積あたりの必要耐力

 床面積あたりの必要耐力は略算法または精算法により求めることが出来ます(精算法は精密診断法における略算法と同じものです)。
 略算法における床面積あたりの必要耐力は、下記の表の値となります。

床面積あたりの必要耐力[kN/m2]
対象建物 軽い建物 重い建物 非常に重い建物
平屋建て 0.28Z 0.40Z 0.64Z
2階建 2階 0.37Z 0.53Z 0.78Z
1階 0.83Z 1.06Z 1.41Z
3階建 3階 0.43Z 0.62Z 0.91Z
2階 0.98Z 1.25Z 1.59Z
1階 1.34Z 1.66Z 2.07Z

 ※Zは建築基準法による地震地域係数
 上記の表における対象建築物の必要耐力は下記の仮定重量から求められているようなので、下記に類した構造又は建物重量から上記の対象建築物を選択します。

仮定重量
建物の種類 屋根[N/m2] 外壁[N/m2] 内壁[N/m2] 床[N/m2] 床積載[N/m2]
軽い建物 石綿スレート板
[950]
ラスモルタル壁[750] ボード壁
[200]
一般的な床[600] 平均的な積載荷重
[610]
重い建物 桟瓦葺
[1300]
土塗壁
[1200]
ボード壁
[200]
非常に重い
建物
土葺瓦
[2400]
土塗壁
[1200]
土塗壁
[1200]

 ※仮定重量は下記の条件により算出されているそうなので、精算法を使用することをお勧めします。

総2階。
軒の出等の各部寸法は平均的な値である。
建物の平面形が短辺:長辺=1:2程度の長方形。
各階の重量に床面積あたりに均した値を用いる。
通常木造住宅ではRt=1.0となる。
Aiは建物各階の重量の違いの影響が支配的になる。
Co=0.2(割増される場合は割増係数で考慮)

  積雪割増

 多雪地域においては、積雪深に応じて以下の通り床面積あたりの必要耐力を割増します。

床面積あたりの必要耐力
積雪深 1m 1m〜2mの間 2m
割増量 0.26Z 直線補完 0.52Z

 積雪の割増量は 雪の重量=30kN/m2x積雪深x地震力計算時の低減係数0.35 として、必要耐力の算出と同様に算出し、層せん断力分布係数Aiへの影響等は無視して簡略化しています。

  各種割増係数

■軟弱地盤割増
 地盤が著しく軟弱と思われる敷地の場合には、必要耐力Qrを1.5倍に割増します。
■建物短辺が極端に短い場合
 2階建の1階、3階建の1・2階について、短辺の長さが4.0m未満となる場合はその階の必要耐力を1.13倍に割増します。
 ※上記の割増係数は略算法における割増数値であり、精算法と一部異なります(詳細はこちらを参照)。
■混構造の木造部分に対する割増
 1階が鉄骨造または鉄筋コンクリート造の混構造の2階以上の木造部分を検討する場合においては、必要耐力を1.2倍に割増します。


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