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宅地建物取引主任者資格試験
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5章 権利関係・その他 権利関係 HOME
◇区分所有法  総則 宅建業法
 専用部分と共用部分  物件・担保物件 権利関係
 共用部分の管理  債権 税法・その他
 敷地利用権  契約 法令上の制限
 管理組合  権利関係・その他
 規約
 集会
 義務違反者に対する措置
 復旧及び立替え
 その他


@ 専有部分と共用部分
  1. 専有部分と共用部分の区別
    建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」) は、いわゆるマンションに関する法律で、マンションの建物は、専有部分と
   共用部分に区別される。
    専有部分とは、簡単にいえばマンションの各部屋のことで、この専宥部分に対する所有権のことを区分所有権といい、所有者のこ
   とを区分所有者という。
    これに対して共用部分とは、マンションの住民が全員で使う部分で、階段室、エレベーター室、廊下などを指す。

  2. 法定共用部分と規約共用部分
    共用部分は、法定共用部分と規約共用部分とに分かれ、法定共用部分とは、階段室、エレベーター室、廊下など、はじめから居住
   者全員で共同使用することが明らかな部分を指す。
    規約共用部分とは、本来、専有部分となるものや物置などの付属建物を、規約によって共用部分にすることを定めた場合をいう。
    法定共用部分と規約共用部分については、登記に関し、次のような違いがある。

   共用部分に関する登記
   法定共用部分に関する登記は存在しないが、規約共用部分は、その旨の登記をしておかなければ、共用部分であることを第三者に
  対抗できない。

  3. 共用部分の権利関係
   (1) 共用部分の持分
      共用部分は、区分所有者全員の共有に属し、各共有者の持分は、規約で別段の定めをしない限り、専有部分の床面積(壁その
     他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積)による。
      内側線とは、壁の厚みをまったく計算に入れずに壁の内側の空間部分から面積を決める方法(閑裂計算)をいう。

   (2) 専有部分との分離処分の禁止
      民法上は、共有持分を譲渡(処分) するのは自由だが、マンションの場合、専有部分の所宥者が、共用部分の持分だけを独立
     して第三者に譲渡することはできず、必ず区分所有権とセットで譲渡しなければならない。

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A 共用部分等の管理
  民法の共有の規定では、保存行為は単独、利用・改良行為は持分の過半数、変更行為は全員の同意が必要となる。
  しかし、マンション等の場合は以下のようになる。
  
   @ 保存行為    : 各区分所有者が単独で出来る
   A 利用・改良行為 : 区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議
   B 変更行為
     簡易な場合   : 区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議
     重大な場合   : 区分所有者及び議決権の各3/4以上による集会の決議

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B 敷地利用権
   専有部分を所有するためには、その敷地を利用する権利が必要で、これを敷地利用権といい、敷地の所有権を区分所有者全員で
  共有したり、地上権や賃借権を同じく全員で共有することになる。
   敷地利用権は、専有部分を所有するために存在する為、規約で別段の定めがない限り、敷地利用権をその専有部分の所有権と分
  離して処分することはできない。

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C 管理組合
  1. 管理組合と管理者
    マンションには、必ず管理組合というものが存在し、特に組合を結成する行為をしなくても、法律上、自動的に管理組合が置かれ、
   区分所有者全員がその構成員に組み込まれる。
    この管理組合によって、共用部分や敷地の管理を行っていき、必要があれば管理者を置くことができる。
    管理者は、その職務に関し、区分所宥者を代理する権限を有し、修理のための契約などを区分所有者全員を代理して契約できる
    また、管理者は、規約の定めにより、共用部分を所有(管理所有) することができる。
    ただし、管理者による共用部分の所有は、管理の便宜のための形式的なものにすぎず、管理者名義での登記などはできない。
 
  2. 管理組合の法人化
    管理組合は、そのままでは法人ではなく、区分所有者および議決権の各3/4以上の集会の決議により、法人の登記をすることによ
   って法人となることができる。
    ただし、法人にする以上は、きちんと組織を整える必要があり、管理組合法人には、必ず理事と監事を置かなければならない。

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D 規約
  1. 規約の設定・変更・廃止
    規約とは、区分所有者が定めるマンション内の自主的なルールをいい、規約の設定、変更、廃止をするには、区分所有者および議
   決権の各3/4以上の多数による集会の決議によらなければならない。
    ただし、多数の横暴で少数者に不利益を与えるおそれがあるので、規約の内容が一部の区分所宥者の権利に特別の影響を及ぼ
   すときは、その承諾を得なければならない。
    このほか、最初に専有部分の全部を所有する者、つまり分譲業者が分譲を始める前に、あらかじめ規約を作っておくこともできる。
    ただし、この場合は、公正証書で規約を定めておかなければならない。


  2. 規約の効力
    規約の効力は、区分所有者の特定承継入に及ぶとともに、建物の使用に関する定めについては、専有部分の賃僭人等の占有者
   にも及ぶ。

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E 集会
  1. 集会の招集
   @ 集会は、少なくとも年1回、管理者が招集しなければならない。
   A 集会の招集の通知は、集会の日より少なくとも1週間前(この期間は規約で伸縮できる)に、会議の目的である事項を示して、各
    区分所有者に発しなければならない。
   B 規約に特別の定めがあるときは、建物の見やすい場所に掲示することによって、招集の通知に代えることができる。
   C 区分所有者全員の同意があれば、招集手続きを省略することができる。
   D 区分所宥者の1/5以上で、議決権の1/5 以上を有している者は、管理者に対して、会議の目的である事項を示して、集会の招
    集を請求することができる。
     この定数は、区分所有者数、議決権いずれについても、規約で減らすことができる。

  2. 集会の議事・決議
   @ 集会では、招集通知によってあらかじめ通知した事項しか決議できないのが原則であるが、法で集会の決議につき特別の定数
     が定められている事項以外の事項については、規約で別段の定めができる。
   A 議決権は、書面(電磁的方法も可)または代理入によって行使することができる。
   B 集会の決議は、原則として、区分所有者および議決権の各過半数によって行う。
   C 集会で決議すべき事項について、区分所有者全員の書面(または電磁的方法)による合意があったときは、集会の決議があった
     ものとみなされる。
   D 区分所宥者全員の承諾があれば、集会の開催を省略して、書面(または電磁的方法) によって決議することができる。
   E 専有部分が共有に属する場合は、その共有者のなかから議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。
   F 賃借人等の占有者は、会議の目的である事項について利害関係がある場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

  3. 決議の効力
    規約と同様、集会の決議の効力は、区分所宥者の特定承継人に及ぶとともに、建物の使用に関する定めについては、専有部分の
   賃借人等の占有者にも及ぶ。

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F 義務違反者に対する措置
   騒音や悪臭をまき散らすなど、周囲に迷惑をかけ、マンションのルールを守らない人が現れ他場合、このような者に対して、区分所
  有法上、次のような法的措置をとることができる。

  1. 行為の停止等の謂求
    停止請求(差止め請求)とは、義務違反行為を行っている区分所宥者または占有者に対し、単に義務違反行為をやめろと請求する
   ことです。
    これは、裁判所に訴えずに直接請求することもできるが、訴訟によってこの請求をする場合は、訴訟費用の負担などの問題もある
   ので、区分所有者および議決権の各過半数の決議による必要がある。
 
  2. 専有部分の使用禁止謂求
    停止等の請求だけでは、これを無視されたらどうしようもなく、効果がない場合があるため、より強力な手段として、義務違反行為
   を行っている区分所有者に対し、一定期間「専有部分自体を使うな」という訴えを提起して行なうことができ、訴えの提起には区分所
   有者および議決権の各3/4以上の多数による集会の決議が必要となる。
 
  3. 区分所有権の競売請求
    使用禁止請求は、永久に使用を禁止できるわけではなく、一定期間経過後にまた区分所有者が戻り、また義務違反行為を始める
   こともあり得、義務違反行為を行っている区分所有者の有する区分所有権を競売にかけて、強制的に所有権を奪い取ることが認め
   られている。
    ただし、必ず訴えを提起して行う必要があり、訴えの提起には区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による集会の決議が
   必要となる。
 
  4. 専有部分の引渡し請求
    義務違反者が賃借人等の占有者である場合、行為の停止等の請求はできるが、使用禁止請求および競売請求をすることはでき
   ない。
    義務違反者が占有者である場合の措置として、賃貸借契約を一方的に解除し、専有部分の引渡しを請求することが認められてい
   る。
    ただし、必ず訴えを提起して行う必要があり、訴えの提起には区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による集会の決議が
   必要となる。

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G 復旧および建替え
  1. 共用部分の復旧
    老朽化や災害などにより、建物が部分的に滅失することがあり、その減失した部分を復旧する場合、減失の規模によって、その手
   続きは次のようになる。

   (1) 小規構威失の場合
     建物の価格の1/2以下の部分が減失した場合、各区分所有者は、原則として、単独で復旧させることができるが、復旧について
    集会の決議(区分所有者および議決権の各過半数による決議)があったときは、その決議に基づいて行わなければならない。
 
   (2) 大規模威失の場合
     建物の価格の1/2 を超える部分が滅失した場合は、区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による集会の決議に塞づいて
    復旧する必要がある。
     なお、この決議に賛成しなかった区分所宥者は、賛成した区分所有者に対して、一定期間内であれば、建物と敷地の権利を時価
    で買い取るよう請求することができる。

  2. 建替え決議
    集会で区分所有者および議決権の各4/5以上の多数決により、建物の建替えを決議することができ、建替えに参加しない区分所 
   有者に対しては、その建物と敷地の権利を時価で売り渡すよう請求することができる。

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H その他
  1. 建物の暇疵による損害
    建物の設置または保存に瑕疵があることにより、他人に損害が生じたが、事故の原因箇所が不明な場合、その瑕疵は共用部分に
   あるものと推定され、区分所有者全員が責任を負う。

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権利関係−試験傾向−

法規の改正等で問題の解答が変わることもありますが、この分野は暗記だけでは混乱しやすいため、

必ず問題等を解き知識の整理と解答の理解を深めていきましょう。
借地借家法等、民法と重複しながら、民法と異なる規定が盛り込まれていたり、普段の生活では聞きなれない内容があり、
勉強が手薄になりがちですが、重要知識はしっかり把握していきましょう



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