精密診断法とは(建築士向け)
一般診断法と精密診断法の評点は詳細が異なりますが、最終的な判断方法は同じです。
建物が現在持ちうる耐力(保有耐力)を耐震性能を確保するのに必要な耐力(必要耐力)で除算することで上部構造評点を求めます。
上部構造評点を求めたらその数値によって、下記の表より耐震能力を判断します。
必要耐力自体は上の項目を見て頂いた通り、必要耐力係数以外はほぼ同じです(地震係数:地震地域係数Zは条例等により変更されることがあります)。
しかし、保有耐力は評点の項目や係数値が大きく異なり、壁の強さ(壁の総合耐力)を例に挙げると、係数値の最小・最大値自体が大きく異なり、一般診断法では全ての壁耐力を求めた後築年数による劣化度で低減しますが、精密診断法では個々の壁耐力にその壁自体の劣化度に応じた低減係数を含めて壁全体の耐力を求めます。
保有耐力の計算方法を見ると、一般診断法は大まかな診断であり、精密診断法はその名の通り一般診断法に比べ精密な診断方法であるといえます。