耐震診断法について

 住宅の耐震診断は色々ありますが、その中でも多く使われているのが、財団法人 日本建築防災協会 の耐震診断法です。
 財団法人 日本建築防災協会では誰でもできるわが家の耐震診断一般診断法精密診断法(1)がPDFや図書等で配信されています。
 この内、「誰でもできるわが家の耐震診断」は10項目を確認し、その評点によって緊急の耐震改修の必要性があるかどうかを、専門家でなくても確認できるというものです(素人向けなので、耐震性能を測るものではありません。耐震性能についての基礎知識を得るのが目的です)。
 「誰でもできるわが家の耐震診断」は、財団法人 日本建築防災協会FLASH版PDF版が配信されています。

 残りの一般診断法と精密診断法1ですが、これらは実際に耐震改修を行う際に住宅が持つ耐震性能を診断するために行う方法です。
 なぜプロが行う方法が2種類(実際には更に難しい方法もありますが、使うことがあまりないため割愛します)あるのか聞かれることもあります。
 自治体等では耐震改修を行う場合、住宅の診断を一般診断法により行うことと指示していることもあることから、一般診断法でも十分だと考える(建築士の中には精密診断法を知らない)人もいます。

 では、一般診断法と精密診断法は何が違うのか、一般診断法では、詳細な検討を建物すべてでは行わず代表的な部位で平均的な評価を行っているため、診断結果は不確定要素が含まれています(評価には必要耐力を割り増す等、安全率を含みます)。
 精密診断法では、一般診断法をより詳細に計測し、さらに偏心率・剛性率(壁の配置バランスの計算と床の強度)を考慮します。
 一般診断法での補強は安全率を考慮する為、必要以上の補強になり補強設計には不向きです。
 また、一般診断法は不確定要素などにより、診断者によってばらつきが出てきます。
 但し、耐震診断では「劣化度(経年変化による住宅の強度の低下)」を評価しなければならず、劣化度の診断は、一般診断法では「築年数10年と劣化事情」を基準とするのに対し、精密診断法では「壁の強度と劣化事情」を基準とします。
 更に劣化事情ですが、一般診断法が目視判断で行うのに対し、精密診断法は目視に加えドライバーを刺して判断する等物理的な判断も必要となります。
 分かりやすく極端な話をすると、一般診断法は図面と住宅の見た目で判断するのに対し、精密診断法は住宅をばらして判断するといえるでしょう。
 ですので、実際に耐震改修を行う場合、耐震改修の必要性を判断するには一般診断法を、耐震改修の方法決定には精密診断法を使用するといった使い分けをする方法や、屋根裏・床下等を細かく確認し精密診断法だけで行う方法をとるのがいいでしょう。

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