耐力壁の考え方
耐力壁を配置する場合、リフォーム等で築30年以上といった住宅を耐震補強する例がありますが、専門家はもちろん、建築主(家の持ち主)の方も理解していただかなければならないのが基礎の構造です。
1981年の建築基準法の改正により、最近の住宅には用いられませんが古い住宅の中にはコンクリートブロックを積んだものや、鉄筋の無い(無筋)コンクリートの基礎が使われている住宅があります。
耐力壁の下には基礎が無ければなりませんが、基礎は原則として、平12建告第1347号第1の仕様規定に基づき鉄筋コンクリート造とする必要があります。これ以外の基礎の場合、有効な耐力壁として認められません。
また、最近増えてきている構造用合板(ごうはんと読みます。時々ごうばんと言う人がいますが誤りです注意しましょう。参照「日本合板工業組合連合会」資料PDF)や構造パネルですが、やはり自然素材を原料としている為、微妙な強度のばらつきがあります(品質に問題ない程度です)。
これらを工場や現場にて釘を打ち付けるのですが、かなり強力な器具によって打ち付ける為に釘がめり込んでしまいます。
釘の頭程度のめり込みが理想ですが、先の微妙な強度のばらつきや厚さの違い(コンマ数ミリ程度)・一材料内の場所ごとのばらつきがある為に、また、確実に打ちつけなければならない為に打ち込みすぎてしまうケースが多々見られます。
打ち込みすぎた釘の数量が多くなると耐力壁の強度が低下します。調整は非常に困難ですが注意しなければなりません。
最近は少なくなりましたが、未だアンカーボルトを田植えする(コンクリートを型枠に流し込んだ後にアンカーボルトを入れていくこと)業者がいます。
田植えしたアンカーボルトは付着力が低下します(抜けやすくなる)。絶対に行ってはいけない行為です。
また、アンカーボルトの埋め込み量(コンクリート内に納まっている長さ)は、柱の引抜力によっては基準法(240o以上)より遙かに大きくなるケースがあります。
「耐震診断ソフト(N値計算)」ではアンカーボルトの長さ算出に対応しています。