居間のバリアフリー
居間のバリアフリー化において最も重要な事項は段差を無くすことと色彩の調整です。
状況によりますが、壁などに手摺りを設ける必要性も出てきます。
段差と聞くと、建築士の場合すぐに思い浮かべるのが、鴨居(戸枠の下側部分)の出っ張りと、和室との床高さの違いです。
バリアフリーの考え方では、これらの段差が3ミリ以下のものを良しとし、5ミリ以上では躓く危険性が高いとしています(1~2センチ程度以上の段差の場合、段差があることを認識しやすく、注意して移動することが可能なため、車椅子を使用しなければ問題ないとする考え方もあります)。
最近の住宅では鴨居の段差を無くす仕様や、吊り下げ式で鴨居自体を設けない方法で、戸の段差は無くなりましたし、和室の段差も、従来品の1/4〜1/3程度の畳を用いたり、和室の構造部材を下げることで対応するようにしています。
さてここで問題なのは、住宅完成後に生じる段差があることです。
居間に使われる床の仕様で最も多いのがフローリングです。
フローリング自体には通常段差は生じませんが、多くの方がリビングに絨毯を敷いてしまうことで段差が生じます。
滅多にないことですが、新品の絨毯などで梱包の都合上、縁に巻き癖が生じていますので、これに足をとられ転倒する危険性や、フローリングの状態(液体の付着・ワックス仕上etc・・・)によっては滑ることもあります。
これらのことを防止するには、
□床の仕様を統一する。
□床の状態を視認しやすい色にする。
□滑りにくい材質を選択する。
といった基本的な事項をきちんと守ることが大切です。