玄関までの段差解消方法

 周辺環境などによりますが、道路と敷地内の地盤面の高さが異なる住宅や玄関ポーチを設けている住宅では、門から玄関までの間に大きな段差が生じてしまいます。
 これらの段差を解消するには、一般的に「階段をつくる」「スロープ(坂)をつくる」のどちらかを行い、特殊な事例では段差解消機(リフトやエレベーター等の機械の総称)を用いることもあります。
 
 さて、階段またはポーチなどの段差を設ける場合に1段の高さはどのくらいがいいのかとなると、建築基準法では住宅の階段の蹴上げは23cm以下、踏面は15p以上とすることとあり、傾斜路の勾配は1/8を超えないこととなっています。



 バリアフリー法(正式名称は長いので割愛します)では、階段の蹴上げは16p以下、踏面は30cm以上、傾斜路の勾配は1/12(屋外は1/15)を超えないこと、また段差が75cmを超える場合75cm以内毎に踏み幅150cm以上の踊り場を設けること(勾配が1/20を超えない場合は適用しない)とあります(他にも細かい規定はありますが、バリアフリー法は住宅には関係ないので割愛します)。
 蹴上げ・踏面・勾配について簡単な図を載せておきます。

階段 傾斜路

 平面図では下のように表記されます(作成者により、DN・UP等の文字を書き入れる事もあります。通常、矢印方向が登っていく方向です)。

階段 傾斜路

 ちなみに次に示す推奨値は法律で定められた数値ではありませんが、多くの場合こちらの推奨値を採用しています。
 屋外階段 :踏面33〜36cm、蹴上げ:11〜16cm
 屋外傾斜路:勾配1/20以下
 屋内傾斜路:勾配1/15以下

 バリアフリーの設計を考えている方へ

 バリアフリーを設計に取入れる場合、多くの設計士が上記の推奨値を基にスロープ(傾斜路)や緩やかな階段を付ければいいと考えがちです。
 一般的に、足腰が不自由な人は通常サイズの階段ではきついだろうから傾斜を緩くしよう、車椅子を使うならスロープがないと使い勝手が悪いだろうから付けるといった具合です。

 しかし、障害の程度や症状によっては、「スロープだと関節が痛くなるが、緩い階段なら痛みが少ない」や「緩やかなスロープでも力が足りず車椅子では登れない」など、推奨値だからといって必ずしも使えるかというとそうでもありません。
 住宅でバリアフリー設計を行う場合、施主の家族に障害を持っている人がいたならば、必ずケアマネージャーや担当医師と相談することをお勧めします。
 障害は多くの場合、症状が悪化するため将来を見越した設計が必要となります。


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